読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

めいっぱい息をすること

2次元も2.5次元も3次元も。好きなことはとことん拗らせていくオタクが見たものの感想など

「関係者席」という聖域

※いちオタクのひとりごとです。

 

内容はとっても良かったし、無事に全公演終了した作品なのであまりほじくり返すのもどうなんだろう…と思ったけれど、特定の作品に限らず舞台・その他エンタメ興行における「関係者席」についてなんとなくわたし個人の思っていることをつらつらと。

 

 

今回の件に関しては当事者もおばかさんが集まっちゃってるしオタクもオタク同士で煽り合いとかしてるしで、出来事の発端のしょうもなさに比べて盛り上がりすぎだろうよ……。と思ってしまった。

 

結局ドル売り(まあ実際アイドルものだし)してる女性向け2.5次元舞台、という結構危うい思考とか性質を持ったファンの多いジャンルで、関係者席という金のエンゼルを使ってルール違反をしたことがいちばん荒れてた原因なんだろう。ルール違反自体は責められてしかるべきことかもしれないけれど、ここまで燃え上がったのは一言で言ってしまえばただの嫉妬だ。プラス、どっちかっていうと2次元の中の人イベントのノリが強い作品だったから色々なものの色々な闇に触れてる若手俳優オタクとはまた違ったオタクたち(若手俳優舞台の建前とか、暗黙の共通認識みたいになってる「2.5次元」という世界のスタンスみたいなものをあんまりよくわからない人たち)が集まったからこそ、普段は限りなく黒に近いグレーな出来事、みんながもやっとしながらもなんとなく飲み込んでいたものに食いついたりしたんだろう。

 

関係者席に座る人は、大きく2種類に分類されると思う。

■キャスト・スタッフの親族、友人などプライベートの繋がりの持ち主

■キャスト・スタッフの仕事上の繋がりの持ち主(共演者や役者仲間も含まれる)

このうち、なにかのきっかけで炎上する可能性が高いのは圧倒的に後者だ。なぜなら、業界関係者だから。役者なりタレント仲間なら本人がSNSでその作品について言及する可能性が高いし、人の目に触れる職業だからそもそも見た目で周りのファンに認知されている可能性もある。演出家や裏方スタッフだってこのご時世本名でツイッターやってるなんて当たり前だったりする。

その分オタクの目につきやすい…いや違うな、少しでもキャストに近づきたいオタクの…うーんこれも違う気がする、女オタク特有の探偵癖?みたいなものが働いて「この人はこのキャストとこのヘアメイクさんとこの舞台で付き合いがあるから云々…」みたいな勘ぐりをする糸口にしやすい、ような気がしている。

要するに、関係者席に座ってる人を観察しているオタクは一定数いるし、そういうオタクたちは割と「繋がり」とか幻想を抱いていたりするケースが多いので、実際に遠かれ近かれキャストと何らかの繋がりがある人しか座ることの許されない関係者席という聖域に対して、自分とは違うあちらの世界だと自覚しつつ、羨望や妬みのような熱を持って眺めているものなのかもしれないよ。ということ。

 

まあ単純に、他の若手俳優が見に来ているかもしれないからそれを見つけたくて関係者席あたりを気にしている人が大多数だろうけれど。若干話が逸れるけど、劇場の関係者席の位置、あなたは把握してますか?  多少なりとも若手俳優オタクの自覚がある人は、行ったことある劇場の関係者席はなんとなく把握しているんじゃないかと思う。たぶんそれ、普通に観劇が趣味の人は把握してないから。笑 オタクあるあるな気がする。

 

話を戻します。笑

前述したとおり、キャスト・スタッフと仕事上の繋がりの持ち主は人の目に触れる仕事をしている人がわりあい多い。

ただ、それだけじゃないよね、という話。例えば出演キャストの事務所スタッフが「来てほしい」(観にきてほしい、じゃなくて来てほしい)と思うのは誰だろう?キャスティングプロデューサー。テレビ局関係者。雑誌編集者。もしかしたら、アパレルのプレス。所属タレントの次の露出につながるような媒体関係者じゃないかな。と、思う。そして、事務所の人に招待されたら、その人たちは果たして興味がないから、気が進まないからと断るだろうか?

という単純な話じゃないかと思うのです。その舞台を観たいと思ってその席に座る関係者がどれだけいるのかな、と。その舞台を観に行くかどうか(招待を受けるかどうか)でその後の仕事のやりやすさに関わってくるようなことがあるんだとしたら、みんな行くんじゃなかろうか。

 

関係者席は確かに一般の観客からしてみれば、チケット代も払わず、努力もせずに手に入れられる夢のような場所に見える。

でも、そこに座れる権利を持った人たちが、誰もが周りの観客と同じ熱量でその作品に向き合うかと言ったら、決してそうじゃないんだと思う。

 

「大人気の舞台で、行きたくてもチケットが取れない人が大勢いるんだから関係者はそれを自覚して!ただでさえ観劇に慣れてない人が多くてマナーの悪さが目立つんだから!!」なんて説教めいた主張を垂れ流すつもりは全くないけれど、事実、オタクからしてみれば関係者席ほどうらやましい場所はない。そりゃあそんな場所でマナー違反を堂々とされたら腹も立つし叩きたくもなるだろう。なのでこの記事は本当に今回の騒動とは別の話をしているつもりです。

 

こんなブログを見ている業界関係者なんていないと思うけれど、関係者のみなさま、叩かれたくなかったら、自分(の座っている席)が注目を集めやすい場所だって認識して、もう少し賢く立ち回ることもできるんじゃないでしょうか。仕事の付き合いでどうしても行かなきゃ、って行った舞台で、思ってもみないところから叩かれたりネット上でさらしあげられたりしたら嫌でしょう?

 

そして、オタクたちももう少し冷静になったほうがいいんじゃないだろうか。劇場内にいる人間がすべて、自分と同じ情熱をその作品に注いでいるかといったらそうじゃない。仕事の一環として聖域に座っている人もいる。はなから違うスタンスでいる人に対して、「その舞台の観客」として完璧なふるまいを求めるのはスマートな発想じゃないのでは?

 

関係者席はある人にとっては聖域かもしれないけれど、ある人にとってはビジネスチャンスかもしれないし、またある人にとっては業務の一環かもしれない。

色々な人の色々な思惑が取り巻いている場所、という点ではほかの座席と違うので、特別な場所という意味合いでは聖域と呼べるのかもしれないけれど。

 

平和に過ごしたいなら、言動だけじゃなくて思考することも必要なのかもしれない。